ひと区切り
NHK Eテレ 10 min. ボックス(古文・漢文)『土佐日記(紀貫之)』より
http://www.nhk.or.jp/kokugo/10min_kobun/
http://www.nhk.or.jp/kokugo/10min_kobun/list_2013.html
忘れがたく、
口惜しきこと多かれど、
え尽くさず。
とまれかうまれ、
とく破(や)りてむ。
(忘れがたく、心残りはたくさんあるのだが、
とても書き尽くすことはできない。
こんなものは、破ってしまおう。)
土佐日記 結びの句 より
紀貫之というのは、古今和歌集の編纂者でもある。たしか、百人一首は古今和歌集からの抜粋が多いとか。それまでは漢文一辺倒だったのが、この頃から仮名書きが普及し、情緒溢れる日本語文学が開花し始めた。
最後に、『破ってしまおう』…と書いてあるが、もちろん破られはしなかった。だからこそ、土佐日記は今に伝えられている。ま、執筆者は女性という設定なので、『女らしい感情表現』とでも捉えておけば良いのだろう(たぶん)。
精神世界について書き散らかすのはキリが無いので、もうやめる。そんなものは、破ってしまおう…(うそ)。