風 山 堂

(foussin's diary)

やっと見つけた、ラブジョイ君

2013.12.12 Thu 午前5時ごろ

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ブレブレですが、中央の青白いヤツがラブジョイ彗星。
 

 ラブジョイ彗星の探し方が分かったので、自分がやった方法を書いてみる。目視は出来なかったけど、そこに確実に居ることが分かれば写真に収める確率が高まる。それだけでも今回の収穫は大きい。今は探し方がやっと分かっただけで、それを上手く写真に撮る…という所までは辿り着いてないので悪しからず。

赤道儀モドキ『PENTAX O-GPS1』購入:

 まず、赤道儀モドキともいえる『PENTAX O-GPS1』を買ってしまった… 19,800円。ちょっと高いけど、消費税増税のことを考えると、買うなら今でしょ。

 この O-GPS1 は K-30, K-50, K-5 等の PENTAX デジイチ専用なので、他メーカーのデジイチには使えない。現在、比較的安価な『ポラリエ』という赤道儀も売ってるけど、頑丈な架台も必要になるし、トータルではけっこうな値段になってしまう。

 で、O-GPS1 の目玉はもちろん『アストロトレーサー機能』だが、GPS 情報を利用する『電子コンパス』もかなり便利だった。ただ、O-GPS1 についての詳細は別の機会にやりたい(やらないかも)。今回はラブジョイ・ネタなので。

ラブジョイ彗星の位置確認:

 次にやったのは、天文系サイトで観測時の大まかな位置を確認。

    北:  0度
    東: 90度
    南:180度
    西:270度

という座標(GPS 等は、これで地平座標を表現している)で…
    
    日時:2013.12.12 Thu 05:00
    方位:65度ぐらい
    高度:22度ぐらい
    

…ということだった。この情報を元に、星図ソフト(mitaka)でも確認。↓

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 大まかな目安として、まずはベガとアルクトゥルスの中間ぐらいを狙うと良さそうだ。この図を見れば、かんむり座とヘルクレス座アルクトゥルスとベガの間にあることが分かると思う。かんむり座とヘルクレス座の間をさらに拡大する。↓

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 さらに『かんむり座』と『ヘルクレス座』の間ぐらいを拡大表示。左側に星が 2つ並んでいる…これが良い目印になりそうだと感じた。

 

観測開始:

 まずは、明け方 5時ごろに東南東を大雑把に見る。それを広角レンズで撮ると、こうなる。↓

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PENTAX K-50 f/6.3、20秒露出(バルブ:O-GPS1 使用)、ISO-800、18mm(換算27mm)

 うしかい座、かんむり座、ヘルクレス座が写ってるんだけど、星の点が小さすぎてよく分からないです。肉眼でもよく見えない星々なので、ま、気にしないでください。この写真に写っている星で、肉眼で見えたのは『アルクトゥルス』と『ベガ』ぐらいかな。

 で、ここから少しずつズームアップしていく。

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PENTAX K-50 f/6.3、20秒露出(バルブ:O-GPS1 使用)、ISO-800、26mm(換算39mm)

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PENTAX K-50 f/6.3、20秒露出(バルブ:O-GPS1 使用)、ISO-800、40mm(換算60mm)

 換算60mm ぐらいになると、一眼レフのファインダーでも『かんむり座』の特徴的なディティールが見えるようになる。が、mitaka で確認した 2つ星は目視できなかった。写真には 2つ星も彗星もちゃんと写ってるんだけど、見た目は彗星には見えない。

 上記の画像は、ブログでも見易いように Paint.NET でホワイトバランスを強調した。デフォルトの現像エンジンでは次のような仕上がりになっている。↓

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PENTAX K-50 f/6.3、20秒露出(バルブ:O-GPS1 使用)、ISO-800、45mm(換算67mm)
 

さらにズーミング:

 ようやく、かんむり座とヘルクレス座がファインダーで確認できるようになった。で、狙いはだいたい合ってるみたいなので、そのまま一気にズーミングした。↓

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PENTAX K-50 f/8、20秒露出(バルブ:O-GPS1 使用)、ISO-800、270mm(換算405mm)
 

 一気に換算405mm までズーミングしたのは無謀だったが、予め電子コンパスでだいたいの見当をつけて三脚にセットしたので、ギリギリで彗星が写った。

 星が流れてしまうのは、これが O-GPS1 の限界ってことらしい。

  換算200mm望遠 + 20秒露出 + f/6.3ぐらい + ISO-800~1600

…このぐらいに抑えるのがベターな使い方っぽい。だが、ラブジョイ彗星は非常に淡い光であることが分かった。この淡い光を『たった20秒露出』で焼き込むのは難しい気がする。そうなると超望遠で狙うより換算135mm程度の中望遠で長めに露光した方が良さそうな気がした。

 O-GPS1 を使う場合、注意点が 1つあるので書いておく。この機械は『手振れ補正機能』と『GPS情報』をリンクすることで、赤道儀的な使い方が容易に出来る。で、これを使うと exif データとして『撮影場所の東経・北緯・高度(海抜)』が保存される。自宅で撮影した場合に exif を消し忘れると、Google Earth とかでその数値を検索すれば、自宅の屋根が画面上に表示されてしまう。これはプライバシー的に、ちょっとヤバイ。気を付けよう。

ズームレンズでラブジョイ彗星を探す:

 現在のラブジョイ彗星は『かんむり座』と『ヘルクレス座』の間ぐらいに居る。だが、これらの星座は 3~4等星ぐらいの暗い星ばかりで、市街地では見えない。で、どれが星座の星で、どれが彗星なのか、その方角を見ただけでは素人には判別できない。

 が、中望遠レンズで観ると 3~4等星の星もけっこう明るく見える。中望遠ならファインダーや液晶画面(50万ピクセルぐらい)でも目視が可能になるようだ。

 この探し方が使えるのは、あと 1~2日ぐらい。ラブジョイの見ごろは今週中が山場と言われてるし。

1. とりあえず東北東にカメラを向ける。
2. 広角から少しずつズームアップ。
   換算 60mm ぐらいでかんむり座がファインダーで確認できる。
3. かんむり座の左下をファインダーの中心にして、さらに少しずつズームアップ

 すると次のような画像が見えてくる。

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 この画像をさらにズームアップすると、次の位置に彗星がいる。

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…とは言っても、その方向を見ても彗星の目視はできないと思う。直に見るなら、どんなに空気が綺麗な場所でも双眼鏡は必要だと思う。

 ズームレンズで拡大しても、光学ファインダーや液晶モニタで彗星を視認するのは難しいです。とにかく非常に淡い光なので… 彗星が居る場所を、背景の暗い星の位置関係で辺りをつけ、その位置にレンズを向ければ、上手くいけば彗星が写っているかもしれない…という頼りない方法なのです。

コンデジでも撮れるかも(?):

 最後に、一応コンデジで撮れるかどうかも試している。以下の画像の左下部分が、撮影日の彗星の位置を表している。闇雲に写していたら…という偶然の産物。パッと見はまったく見えないけれど。

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date: 2013.12.11 Wed 05:10
PENTAX X-5(コンデジ) f/5、4秒露出、ISO-400、24mm(換算133mm)

 この写真はブログで見易くするため明るめに補正している。本当はもっと黒々とした画像だった。換算133mm で 4秒露出だけど星は点として写っている(流れてない)。X-5 はバルブが使えなくて、シャッター速度は 4秒が最長となっている。

 この画像、拡大するとうっすらと彗星の尾らしきものが…↓

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 露出的にはまだ余裕がある感じがするんだな。んで、



  f/5、4秒露出、ISO-400
  f/5、4秒露出、ISO-800
  f/5、4秒露出、ISO-1600


…とやっていけば、意外と彗星が写ってしまうんじゃないかと…そんな気もしないでもない。焦点距離も換算150mm、200mm ぐらいはいけるんじゃないかって気もする。
 

 とりあえず、あと1回だけ撮影してみて、それで彗星撮影はお仕舞いにしようと思っています(けっこう疲れるし、寒いし)。