風 山 堂

(foussin's diary)

太陽系の公転軌道面を想像して空を見る

地球の車窓から(10)

追記アリ:

さらに追記アリ:2012.10.27 Sat 13:53

 

2012.10.26 Fri

 木星の衛星についてウィキペディアで調べた。木星にたくさんの衛星があることは知ってたが、特に大きい 4つを『ガリレオ衛星』と呼ぶそうだ(イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト)。一番大きい衛星は水星よりも大きい。これらの視等級は 5~6等級もあって、本来なら肉眼でも見える明るさらしい。それが見えないのは、すぐ傍に眩しすぎる木星があるためだとか。

 考えてみれば、17世紀のガリレオの手作り望遠鏡でも見えたのだから、21世紀の望遠デジカメで見えないワケがない。気が付いたら市販のコンデジで、しかも素人がガリレオ衛星を撮れる世の中になっていた。。。

 もうすぐ 21世紀も 12周年になる。自分は 21世紀に生きている。なんか、ようやく それを実感した。しみじみと。
 

 さて。先日の木星と衛星が映った画像だが…

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2012.10.22 Mon 22:49
(画像手前からカリスト、ガニメデ、イオ、木星、エウロパ…らしい)

 木星と衛星が 1直線上に並んで映っている。これって不思議だと思わない?

 実は、このラインは太陽系惑星の公転軌道面を表している。さらに不思議なことを教えてあげる。それは、地球以外の全ての太陽系惑星が、このラインの延長線上に存在するのだ…

 …というのは半分ウソ(でも半分はホント)。正確に言い直すと長くなるので、図を使って説明してみる(説明のための図なので、惑星の配置はデタラメです)。

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 ご存知のとおり太陽系は円盤状になっているが、それを真横から見ればただの直線にしか見えない。実は、普段我々が地上から見ている惑星たちは、太陽系を横から見た姿にすぎない。
 

 ということは、つまりこんな風に見えるのか?

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 だいたいは合ってるんだけど、地上から見る公転軌道面は曲線として見える。もちろん、実際の公転軌道面は間違いなく一直線だ。なぜか?

 それは、地上から見える空は『天球』として、人間の目には球面に見えるから… さらに、地軸の傾きの影響によって、極地、赤道直下に関わらず、軌道面は緩やかなサインカーブを描く。そのため、地上から見える太陽系の公転軌道面は、次のようになる。
 

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 今まで『太陽系の公転軌道面』などと回りくどい言い方をしてきたが、つまりこれは、太陽の通り道=黄道を意味する。黄道とは、太陽系の公転軌道面の中心であり、公転軌道面を天球に投影した姿だ。だからこそ、太陽系内の全惑星は黄道の傍を運行するように見える。
 

 頭の中で、空に黄道を描くことができれば、惑星を探すのはワケもないこと。言いたかったのはそれだけなのに、長ったらしい説明になってしまった。

 ついでに、北極点の黄道も作図してみた。

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追記:
 上の図では東西の概念がない…と書いたが、それは方位磁石的な話で、太陽の『南中方位』から東西南北を決めることはできるね…

 北極では、太陽と惑星はこのようなサインカーブを描きながら運行する。が、太陽系外の恒星や銀河はこんな動きはしない。単純に平行移動するだけだ。恒星は地軸の傾きの影響を受けないためだ。

 この図を作ってみて改めて気が付いたんだけど、白夜では恒星はほとんど見えないと思うが、それでも太陽の反対側を見れば、衝(月に例えると満月)で輝く惑星が見えるのではないだろうか。極夜(白夜の反対)では、理屈では 360度の全方向で惑星が見えるハズ。これは、さぞや圧巻の眺めだろうな。内合の惑星(月に例えると新月)は見えないけど。


さらに追記(2012.10.27 Sat 13:53):
 よく考えたら、極夜では『黄道が地平線の下』にあるので、惑星は全く見えない…これが正解でした。スミマセン。ガセ書いちゃった。。。 m(_ _)m
 

 最初に見てもらったガリレオ衛星のライン上の並びは、曲線の一部を拡大したものだったので、パッと見は直線上に見えただけ…だったワケだ。この、公転軌道面を想像して惑星を探す… これを説明するなら、本来は内惑星を例にした方が分かり易く説明できたハズなんだけど、偶然撮った木星の画像があまりにも出来すぎだったので、こんな形で投稿するハメになってしまった。
 

 惑星ネタは、ちょっと切り口を変えれば、まだまだいくらでも書ける。ただ、その組み合わせが多すぎて、どうまとめれば良いかで悩んでしまう。要はきっかけだ。ガリレオ衛星の画像は良いきっかけになった。