風 山 堂

(foussin's diary)

2013.11.30 Sat 未明の夜空

 大本命だったアイソン彗星…どうやらパンスターズ彗星よりも残念な結果になりそう。都内での観測は絶望的かと。観測できる人は居るでしょうけど、よっぽどの天文マニアに限定されるでしょうね。

 やっぱアレですか。太陽に近づきすぎたため? なんか、ギリシャ神話に出てくるイカロスみたいだ。溶けちゃったのか、翼が。…とはいえ、やっと屋根への昇り降りにも慣れてきたところなので、もうしばらくは悪あがきしてみます。


南側の空は星がたくさん見えたが、北~東側の空はどんより…
撮影場所:西東京市(自宅:屋根の上)


 まずは…
 ラブジョイ彗星がいると思われる北東の空を広角(換算27mm)で撮ってみた。

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PENTAX K-50 f/6.3、20秒露出、ISO-100、18mm(換算27mm)
(北東の方角、時刻 02:34)

 地平線近くが明るい。いわゆる光害というヤツ。一応晴れてるけど、空気の透明度もイマイチだし 5等星を見るのはちょっと無理っぽい感じ。

 北斗七星のひしゃく部分が写ってるの、分かるかな。あと、右下に地平線から顔を出したばかりの『うしかい座アルクトゥルス』の赤い星も、ちゃんと見えている。北斗七星のひしゃくの先端から『アルクトゥルス』『スピカ(おとめ座)』を結ぶ曲線を『春の大曲線』という。

 現在のラブジョイ彗星は、北斗七星~アルクトゥルスの間にいるので、素人でも割りと辺りを付けやすい位置にいる。で、その辺りを闇雲に撮影しまくれば、素人の自分にも写せるかも…と思ったのだが甘かった。光害の影響に負けずに 5等級の星を撮るなら、やっぱり『赤道儀』が必要かもしれない(しかも望遠で撮る)。


 本日は、南側の空が比較的澄んでいるように見えた。ヒアデス星団、プレアデス星団(すばる)の辺りが、肉眼でも雲のようにボオっと明るく見えた。↓

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PENTAX K-50 f/6.3、10秒露出、ISO-800、18mm(換算27mm)
(南西の方角、時刻 02:52)

 左上にオリオン座が写っている。オリオン座というのは他の星を探す道しるべになる。三ツ星左側の直線上を辿ると明るい星と出会う。それがシリウス。逆に三ツ星の右側を辿ると、ヒアデス星団と昴がある。

 市街地では肉眼ではハッキリと分からないけど、三ツ星を辿った先にボオっと明るく見える部分があるので、それがヒアデス星団と昴ということになる。


 この後、02:58 頃(自分の時計で)、流れ星を見ました。しし座~おとめ座の方向へスッと流れました。高度が高くなれば光害の影響も少なくなるので、いったん部屋に戻り、再度出直すことにした。


1時間半後…


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PENTAX K-50 f/8、1秒露出、ISO-800、270mm(換算405mm)
(東の方角、時刻 04:46)

 月とスピカ。3日後が新月になるので、まあ、これも三日月と呼んでもいいかな。完全に露出オーバーだけど、小さな星も一緒に写したかったので。


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PENTAX K-50 f/8、10秒露出、ISO-800、18mm(換算27mm)
(北東の方角、時刻 04:48)

 これで『春の大曲線』の全貌が現れたが、27mm レンズでは収まらなかった。北斗七星~スピカまで全部を写真に収めるには、もっと広角のレンズが必要なことが分かった。


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PENTAX K-50 f/8、10秒露出、ISO-800、18mm(換算27mm)
(北東の方角、時刻 04:52)

 北斗七星と、右端ギリギリにアルクトゥルス。この辺りのどこかにラブジョイ彗星がいる筈なんだけど、写っているのはうしかい座の星々ばかり。彗星は見つからなかった。


 ところで、寒い夜に撮影する場合、低温になると電池の性能が極端に低下することが分かった。一応、低温に強いリチウム単3 を使ってるんだけど、それでも長時間露光をしていると、あっという間に残量メーターが赤ランプ点灯する。

 今回撮影時の気温は 2℃ にまで冷えていた。実際にバッテリが減っているワケではないので、しばらく電源を切って休ませると復活するのだが。これは…自分だけでなく、カメラの防寒対策も必要になりそうだと感じた。