風 山 堂

(foussin's diary)

二十四節気(太陽黄経)と月の高度の関係

カテゴリ:太陽黄経・黄道・月

予備知識:

 基本的に、地球の地軸は『夏至の方向』に傾いている。正確に言うなら、地球の地軸は赤道座標の夏至点の方向に傾いている…となるのかな。そして、夏至の方向にある月や太陽は高く昇り、明るさも増す(北半球の場合)。

 さらに、地球は自転しているので『季節に関係なく、毎日 1回は(日本が)夏至の方向を向く瞬間がある』…これが今回の一番大事なところ。例えば、黄道上の次の位置に 3つの惑星が存在していた場合を考えると…

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 この 3つの惑星は地上から見ると、それぞれの時間(6時間おき)に南の空に浮かんでいる。そして次のように南中時の高さが違う。

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 まず、夏至の方向にある惑星 Z が一番高くなる。高さが変わるのは、時間によって黄道の高さが変わるため。普段、昼間は太陽しか見えないので、黄道が季節に関係なく上下動を繰り返していることに気が付かない。だが、これは天球上で毎日起こっている現象だ。

 これらの予備知識を踏まえて、先日作った『二十四節気と朔弦望の早見盤』を見ると、色々と面白いことが明らかになる。
 

二十四節気と朔弦望の早見盤の見方:

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[1] ... 赤い目盛りを一番近い二十四節気と合わせる。ここでは『雨水』(02/19:太陽黄経 330度) に合わせてある。これを行うには Inkscape が必要になる。Inkscape で目盛りを合わせる方法については次回に説明する。

[2] ... 月齢10 の月の南中時刻は、だいたい 20時ですよ、という意味。この表から『本日の月齢』を見つけることはできないので念のため。ただ、この時刻には別の意味もある(次項)。

[3] ... この場合、雨水の頃に日本が夏至の方向を向く時刻は、だいたい 20時ですよ、と言う意味 になる。つまり、夜 8時に南中している惑星や月があれば、その天体は天頂付近の高い空に浮かんでいることを意味する。これについては国立天文台サイト『今日の星空』を当たって確認済み。

[4] ... 今日の月齢は、天文サイトや月齢カレンダーなどを当たって調べてください。この回転盤では今日の月齢は特定できません。今日の月の南中時刻から、月の出、月の入りの時刻を大まかに推測することはできるでしょう(南中時±6時間)。

 ちなみに、本日 2月24日(月)の月齢は、日付と同じ 24 となっている。昨日は下弦の月だったが、モーニングムーンを拝むには高度が低すぎる…高度が低いと月は暗くなるので。で、これから 2週間ぐらいは月の高度は低いまま推移する。
 

 この早見盤の最大の特徴は、二十四節気の目盛りを合わせることで、月の高度が推測できること。だが、月が高いとか低いとかが分かったところで、それに何のメリットがあるのか…と思ってる人も多いと思う。それについては、当ブログの過去ログにヒントがあるが、後日改めて書く予定。
 

早見盤の使い方:

 使い方としては『印刷して使う』『Inkscape 上で回転して使う』の 2通りがある。今回は印刷して使う場合を書く。
 

印刷して使う:

 次のデータを印刷し、切り抜いて使ってください。↓


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 上の図形を右クリックして『画像だけを表示(I)』を選択し、それを印刷([Ctrl]-[P])すれば OK です。これは Firefox の場合ですが、ほかのブラウザでも同様のことができると思います。↓

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 ↑ A3ノビ、B4、A4 で印刷してみた。このデータは SVG 形式(ベクター画像)なので、原寸でも拡大でも縮小でも綺麗に印刷できる(ただしプリンタおよびドライバソフトの性能に依存する)。今後、Webページでの SVG の需要は、いっそう高まると感じた。

 が、印刷してみるとマズイ点もちらほら… 背景のグラデを薄くするか、もしくは文字は黒よりも白抜きにすべきだった。他にも気になる点はあるが、そこは気が向いたら修正する。(…その後、背景の青を薄くした)

 あとは、印刷した紙を厚紙に貼り付けて切り抜く。そして下に古雑誌などを置いて、円の中心に画鋲を刺せば出来上がり。↓

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 この模型の回転盤をくるくる回していると、冬の月が高い訳が良く分かる。そして、春分から秋分にかけては、夜の月が高く昇ることは無い、ということもすぐに明らかになる。

 今回はここまで。(続く)